結局は汚れている人
前の職場にいた人で、仕事ができる人がいた。
話も面白く、自分を笑いものにして笑いを取っていくタイプの人だった。
最初はわりと友好的だったのだが、いつからか嫌われたらしい。
嫌味を嫌味じゃないように見せかけて言うようになった。
「太った」
「髪の毛の分け目が透けて見えるようになった」
などを、私のいる前で親友に言うのだ。
特に「太った」などは親友にまで無理に体重を言わせてまで何度もしつこく繰り返した。
その人とその親友は2人とも身長約150㎝、私は約170㎝なので、当然体重はかなりの差がある。(実際に当時私は太った時期だったので輪をかけて。)
私は話に加わることなく、(話を振られることもなかったので)普通に黙っていた。
これ見よがしにとか、当てつけなそぶりはほとんど見せずにいたので、その親友さえ若干の違和感くらいしか感じていなかった様子だった。
それはたぶん、彼女には屈辱だっただろう。
私は人の悪口を言わない。
こういうくだらないいじめを受けてメンタルやられるほど若くもない。
人望の厚い仕事もできる彼女の魂が穢れていくのを、少しだけ憐れに思いながら眺めていた。
ある程度尊敬もしていたので、少しショックだったが、私のショックよりも彼女自身がダメージを食らっていただろう。
いや、ダメージはなかったかも。私が思い通りにダメージを食らってくれない苛立ちはあったように思う。それでもうまくやっていたんだから大したものだ。
人望が厚く仕事もできて友だちが多くて、
それは全て私は持っていないものだったけど、
ああいうかわいそうな人間にはなりたくないと思った。
私は私の魂を大事にしたい。
(宗教的な話では無いです。)